RotK劇場版Review

物語はスメアゴルが指輪に魅せられ、暗い洞窟でゴラムへと醜い変貌をしていくところから始まります。
もしも、もしもフロドが指輪の魔力に屈してしまったら、同じ運命を辿るのかもしれない、、と思うと、グロテスクな映像もなんだか切なく見えたり。

水浸しのアイザンガルドでパイプをふかして無邪気にくつろいでるメリピピ最高だ〜。これでこそホビット!
ずっとずっと心配してきたガンダルフが2人の姿を見て「ホビット、、、。」って呆れるところがいい感じ。
そして夜、ピピンの最初の見せ場(?)となるパランティアのシーン。
意識を失っていたピピンが目を開けたときのガンダルフの表情がすごくすごく優しいの。
ピピンを叱りながらも、いたわってる気持ちがすごく伝わる。ガンダルフはピピンがかわいくて仕方ないんだよね。
そしてメリーとピピンの別れのときがやってきます。
ここで別れたらもう2度と会えないかもしれない。現実を把握しているメリーは「なんであんなことをしたんだよ?」とピピンに怒るけど、ピピンはまだわからない。
馬に乗せられ、メリーから別れの品を受け取ったとき、はじめてピピンはそれがメリーとの別れになることを悟るの。
厳しい表情のメリー。「メリーメリー!」と必死に呼びかけるピピン。
そして去っていくピピンを乗せた馬を見送るために、塔に駆け上がるメリー。ううううう、泣ける。
メリーの気持ちを察して急いでおいかけてくるアラゴンの優しさにも泣ける。いいシーンだあ。

ミナスティリスで
「ピピン、余計なことは言うなよ、、、って言うかなんにもしゃべるな!」
っていうガンダルフのセリフに、客席から「That's right! 」とか掛け声がかかってました(笑)。
でもボロミアの死は自分を守るためだったと思っているピピンは、デネソールに何かせずにはいられなかったんだろうね。
ガンダルフをふりきってデネソールのもとに進み、命を賭けての忠誠を誓います。
デネソールの何かが違っていることに気付きはじめていたピピン、たどたどしい誓いの言葉、そしてとまどいながらもデネソールの指輪に誓いの口付け。
あああああああ、ピピンかわいい。いじらしくて愛おしくて。
デネソールもかすかに微笑んでたよね、、小さな人にあんな風に忠誠を誓われたら、氷の心も少しは溶けたのかもしれない。
でもそのあとのファラミアとのシーン、デネソールは完全に理性を失っていることがわかってしまう。
愛する父親に「お前がボロミアの代わりに死ねばよかった」と言われ、負けが必定の戦に去っていくファラミア。
一瞬父を見るファラミアの哀しい表情はほんとうに胸がつまる。
哀愁ただようピピンの歌声をバックに、絶望の戦いへと馬をすすめるファラミア一行。
透き通る歌声が悲しいほど美しく、消え去るような最後はそのままファラミアの命とも重なって見え、涙無しには見れないシーン。

そのころフロドとサムもまた絶望の旅を続けていました。
「サムはフロドの指輪を狙ってる」とゴラムに囁かれたフロドは、ついにサムに「Go home!」と言い放つ。
泣き崩れるサムの姿がとてもとても哀れで、でもそう言ってしまうほど指輪にとりつかれているフロドもまた悲しい。
でもシェロブに背後から襲われ、絶体絶命な場面にかけつけたのはやはりサム。
ひどい言葉を言われても、憎しみの目で見られても、全ては指輪がフロドにとりついたせいなのだ、、とあくまでもフロドを守ろうとするサム。
でも時既に遅く、フロドは冷たく横たわっている。そこに近づくオークの足音。どうするサム?
、、、、、あれ?サム、、あれあれ?ひとりだけ逃げちゃったの?フロドの体転がしたまま?
そりゃあないだろうよ、サム。あれだけ命をかけて守ってきたフロドが死んじゃった(と思った)んだよ。
「このままフロドの近くにいるべきか?自分が指輪を捨てる旅を続けるべきか?」
この旅のなかでも一番葛藤する場面じゃないのか?死んでしまったとはいえフロドの体を置いていけない、、と悩む場面じゃないのかあああ?
呆然とする私を置いて映画のサムは、さっさとフロドを転がしたままひとりだけ岩陰に隠れちゃったのでありました。
でもここでフロドは実はまだ生きていることを知るサム。
「Samwise the Fool!」って自分に憤るサムがよかったのでちょっとさっきの場面は忘れてあげよう。

その頃、ミナスティリスからローハンへ、救援要請の烽火があがります。白い頂に次々火が灯る映像は圧巻。
そしてそれに答えるセオデン。「ローハン will answer!!」かっこいい〜。セオデン王は本当にかっこいい。王です!
途中のキャンプで武装させてもらって大喜びするメリー、かわいいなあ。
でもセオデンに「お前を乗せる馬はない」って言われちゃうの。しゅんとしてるメリーがまたすごくかわいい。
そして「愛する人とともに戦場に行って何がいけないのか?」とメリーを乗せる男装のエオウィン。しびれますなあ。
この「愛する人」って、メリーにとってはピピンのことなんだろうなあ、、と思うとそれだけでじ〜ん。
戦いがおわったあと、戦場に倒れるメリーを見つけるピピン。
「僕はしんじゃうの?」と呟くメリーを「I'll look after you.」と抱きかかえるピピン。泣ける。またまた泣ける。
ついに再び会えたふたり。今度はピピンがメリーを守ってあげるんだね。泣けるよう。
黒門前での戦い、サウロンの誘惑を退け、「For Frodo!」と敵陣につっこんでいくアラゴン、そしてアラゴンに続く小さなふたり。感動します。
撃たれそうになるアラゴンに「アラゴン!」と叫ぶレゴラス。
3部作通して、レゴラスがあんな風に取り乱して叫ぶのってはじめてなんじゃないかな?
旅を通して、不死のエルフであるレゴラスも、仲間の死、、っていうものを初めて理解したからかな?と思ったシーンでした。

一方、サムとフロドは最後の旅へと歩を進めます。
指輪を預かっているというサムにまたも憎しみの目を向けてしまうフロド。そしてそんなフロドに涙するサム。
ここからの2人の旅は痛々しくて観ているのも辛い。
真っ白で美しかったフロドの頬は汚れ、足はよろけ、視線もおぼつかない。
そして自分も疲れ果てているのに、フロドを励まし、自分の最後の水を与え、そしてフロドを負ぶってよろよろと歩くサム。やっぱりサムはすごいよ。
ついにやってきた滅びの亀裂で「指輪は僕のものだ」と姿を消すフロド。
このときのフロドの表情にもはっとさせられました。今までの弱弱しいフロドとは全く違った、強い意志を、、邪悪な意思を持ったフロドの顔。
飛び出してくるゴラム。指ごと指輪をくいちぎり、フロドと争った末そのまま亀裂へ。
崩れ始めるモルドール。
モルドールの崩壊に、フロドの旅が終わったことを知る仲間たち。
歓喜する仲間達とはうらはらにサムとフロドは、崩れてゆくモルドールのまっただなかにいて、死と向かい合っている。
指輪の重荷を一身にひきうけて目的を果たしたのに、そこに待っていたのは死だった、、、サムが始めて弱音を見せます。優しく抱きしめるフロド。また泣けてしまう。

目覚めたフロドのもとにひとりずつやってくる旅の仲間たち。やっぱり最後のサムとの対面が一番いい。
サムが唇の端をすこし上げて恥ずかしそうに微笑む表情がとても好きなの。
平和の戻った中つ国での戴冠式。王子の格好をしたレゴラス、美しいねえ。アラゴンに「あそこにアルウェンがいるよ」って目で合図する笑顔が優しいの。
で、話題になってた突然のあつ〜いキス。
批評では非難ごうごうだったけど、私的にはいんじゃない?と。
アラゴンは確かに王になったんだけど、愛しい恋人を見たときだけはほんとうに「ただの恋人たち」になっちゃう。
微笑ましいシーンじゃないかな?と。あ、、みんなに怒られそう。
王に敬礼しようとするホビットたちに「君たちはその必要はない」と王みずからひざますく。それに従うたくさんの「大きい人」たち。
ちょっと恥ずかしそうに、でもとっても誇らしげに立つ4にんの小さな人。とってもとっても素敵なシーンです。
でもこれで旅はおわらない。
最後にもうひとつ、大切な、そして悲しい旅が待っていました。
「あの指輪をもう一度見たい」と言うすっかり年老いたビルボの姿に胸がつまりました。
「あれは、、失くしちゃったんだよ。」というフロド。その遠くを見るような瞳がとても切なかった。
メリー、ピピン、そして最愛のサムとの別れ。泣きじゃくる3人と、静かにひとりひとりを抱きしめるフロド。最後にサムをぎゅっと抱きしめたシーンは、もう号泣でした。
でも船に乗ったフロドの透き通るような笑顔が、この長い長い旅の最後を幸せにしてくれました。

「I'm home.」と家に帰ったサム。
そして私も長い長い旅を終え、フロドとのお別れをして家路についたのでした。

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